島根有機農業協会ブログ

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食の練習問題 №24

2010年3月10日

Q:これまで、「有機農業」という言葉が何度も出てきましたが、その言葉の意味するところはどのようなものと理解すればよいのですか。また、スーパーなどで「有機農産物」という表示を見かけることがありますが、これはどのようにすれば表示できるのですか。

A:「有機農業」の定義は、人により国により内容・表現に幅があり完全に一致しているとは言えません。ここでは、「有機農業推進法」の定義を採用することにします。すなわち、この法律における「有機農業」とは、「化学的に合成された肥料及び農薬を使用しないこと並びに遺伝子組換え技術を利用しないことを基本として、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した農業生産の方法を用いて行われる農業」(第2条)とされています。
しかし、この定義通りの農業による生産物であっても、「有機農産物」と表示して、一般市場の流通に乗せられるかといえば、それはできません。表示するには、「有機農産物の日本農林規格」を満たしているかどうかの認定が必要です。
「提携」のような場合には、消費者が栽培内容等について熟知しており、表示はあっても無くても問題ありませんが、一般の市場流通に乗り、スーパーの店頭に並べられている農産物等は、誰がどのような方法で作ったものなのかが、消費者(買い手)には分かりません。もし表示があったとしても、それが正確であるかどうかも確認できません。そのために、国が規格を定め、その通りに生産された農産物であることを信用ある認定機関が確認することになっています。この様な手続を経て初めて、「有機農産物」として表示できます(図参照)。
 この様な制度は、その表示を理解している消費者にはわかりやすく、大変便利ですが、表示の意味が消費者に性格に伝わっていなければ意味がありません。また、生産者にとっては、生産管理記録の作成など面倒な作業が必要である上、認定機関に対する検査・認定費用の負担があります。従って、実際には、有機JASマーク表示の農産物と同等、あるいはそれ以上の内容を持つ生産物であっても、勝手に有機の表示はできないのです。更に、有機の認定を受けるには、生産する場所(田や畑)が、「周辺から使用禁止資材が飛来し又は流入しないように必要な措置を講じている」ことが必要です。隣接する田畑で使用禁止資材である化学肥料や農薬が使用されていれば、いくら自分の田畑で理想的な有機農業を行っていても認定されないのです。