島根有機農業協会ブログ

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食の練習問題 №25

2010年3月10日

Q:スーパーなどで、「特別栽培農産物」という表示を見かけることがありますが、どのような内容を表現しているのですか。また、その意義はどこにありますか。

A:農薬及び化学肥料を一定程度削減して栽培した農産物(特別栽培農産物)を対象とする最初の表示ガイドラインが制定されたのは、92年でした。ところが、この表示は誤解されやすいものが多く、「無農薬栽培」、「無化学肥料栽培」と「有機栽培」との違いが分からない消費者が多かった事も事実でした。そこで、03年に新ガイドラインがつくられることになります。
 改正のポイントは三つあります。①「生産の原則(土づくり等)」を定めたこと。②表示対象の農産物を、化学合成農薬と化学肥料双方を慣行農業の50%以上減らして栽培されたものに限定したこと(基準は各地域の慣行農業で使用されているレベルであり、各地方公共団体が策定又は確認した数値とする。基準が全国一律でないのは、病虫害発生の地域差が大きいことによる)。③旧ガイドラインが、農薬や化学肥料の使用状況に応じて、区分毎に多様に表現していた名称(無農薬、無化学肥料、減農薬、減化学肥料及びこれらの組み合わせ)を、「特別栽培農産物」に統一したことです。
新ガイドラインの「生産原則」は、農業の自然循環機能の維持・増進を図るため、化学合成農薬及び肥料の使用を低減することを基本とし、①土壌の性質に由来する農地の生産力を発揮させ、②農業生産による環境への負荷をできる限り減らした栽培方法で生産すること、とされています。現在の「特別栽培農産物」とは、この様な内容で生産された農産物の総称です。
 「特別栽培農産物」表示の意義は、その栽培水準を明確で分かりやすいものにしたことと、生産原則によって化学合成農薬と肥料の使用を低減し、豊かな農地作りと環境への負荷をできるかぎり減らすという方向性を示したことにあります。また、同じ「特別栽培農産物」という表示の下に、慣行農業との違いを明確にしつつ、農薬の使用回数、化学肥料の使用量を窒素成分で表示すること等栽培レベルを消費者が正確に把握しやすいようにしています。このことは、生産者にとっても慣行農業を抜けだし、農業の持つ自然循環機能の維持・増進を図りながら化学合成農薬、化学肥料を節減していくという道程を明確に示したものとして評価できます。