島根有機農業協会ブログ

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食の練習問題 №26

2010年3月10日

Q:06年末の臨時国会で、いわゆる「有機農業推進法」が、全会一致で成立しました。この法律の意味はどういうところにあるのですか。また、その内容はどのようなものですか。

A:いろいろな見方はあるでしょうが、この法律をきっかけとして、日本での有機農業の位置づけ、農業の標準が大きく変わったと感じます。かつての有機農業は、あるべき農業(理想の農業)かもしれないが実現は困難、として一般には認められていませんでした。しかし、この法律によって、有機農業は、日本の農政の中で明確に位置づけられ、推進、実現すべき農業となったのです。
 欧米においては、以前から推進すべき農業のあり方として位置づけられてきましたが、日本においてもようやく、同様の扱いになったものといえます。
 この法律の目的は、「有機農業の推進に関し、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、有機農業の推進に関する施策を総合的に講じ、もって有機農業の発展を図ること」(第1条)となっています。
また、この法律における有機農業の定義は、有機JAS規格より広い意味を掲げています(24参照)。
ここにおいて、有機農業は、21世紀環境重視の時代にふさわしい内容を持った生産方法(環境保全型農業)として位置づけられるだけでなく、石油など再生不能な資源を使って生産される化学肥料や化学農薬などを使用しない事を基本とする持続可能な農業としても位置づけられているのです。
この法律には、その目的に沿って、国のレベルだけでなく、県や市町村の段階においても、有機農業の推進に積極的に取り組むべき事がうたわれています。
そのため、たとえば島根県では、この法律に基づいて、「島根県有機農業推進計画」を定め、県内での有機農業について、県としても積極的に推進していく方向を明らかにしています。そして、具体的な推進事項、及び推進方法についても明らかにしています。
注目されるのは、環境保全型農業に関する県の施策として、段階を追って、慣行栽培から化学肥料や化学農薬を減らす方向での目標を掲げていることです。3割減のエコファーマーの段階から、5割減のエコロジー農産物生産者の段階、さらには有機栽培(有機JAS認定生産者)の段階に至るまで、ステップアップしていくことを目指しています。そして、そのための生産振興、技術の確立や技術の普及等にも力を入れていこうとしています。大いに期待したいところです。