島根有機農業協会ブログ

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食の練習問題 №27

2010年3月10日

Q:近年、世界的に有機農産物の需要が増えているようですが、日本の有機農産物の需給はどうなっていますか。また、国内産有機農産物を安定的に手に入れるにはどうすればよいのでしょうか。

A:近年、日本の有機農産物需要も急速に拡大しています。しかし、供給については、格付けされた有機(有機JAS)農産物に限定すれば、国内産は01年から04年までは少しずつ増大していましたが、それ以降06年まではほぼ横ばいです。それに対して、急増しているのが外国で格付けされ輸入された有機農産物であり、01年から06年に掛けて4.2倍に急増しています。この結果、06年には外国産有機農産物が9割近くを占めるようになっています。
これら輸入有機農産物の多くは、アメリカやオーストラリア、アルゼンチンなどの大面積単作型の「有機農業」に取り組むアグリビジネスによって生産され輸出されています。
輸入有機農産物の増大は、国内に生産の場がある事によってはじめて発揮される有機農業の利点が生かされないことになります。豊かな自然環境、生物多様性、美しい農村景観の創出等です。また、外国の生産地から日本の消費地までの長距離輸送による環境負荷の問題もあります。
日本の消費者が、国内農業生産の長期にわたる安定と利点の発揮を望み、本当に、安全・安心な食材の入手を実現したいと願うのであれば、生産者の顔が見える地産地消、地域自給を発展させることが経済的にも環境負荷を考えても好ましいということになるのではないでしょうか。既に盛んになりつつある各地の生産者による直販市の盛況は、生産者と消費者との提携につながる芽ともいえるのかも知れません。
近年、諸外国でも、日本の「提携」と同様の活動が急速に広がりつつあることが報告されています。最新の情報によれば、アメリカのCSA(最近は地域が支え、地域を支える農業という両方の意味を込めて地域支援型農業と訳されています)は2千を越えるまでに普及しており、フランスでもAMAP(家族農業を守るための協会)と呼ばれる同様の運動が広がり、今や1千を越える提携活動が行われているようです。その他にも、少なくとも世界の16カ国に提携の輪が広がりつつあることが報告されています。
これらは、生産者と消費者が互いに支え合う家族農場であり、小規模有畜複合経営を基本としています。そして、自給用の多様な作目を作付けし、食の安全や地産地消に基づく地域自給を重視しています。